| この章の問題文 |
This is my dream come true. This bed looks slept in. I want it done by tomorrow. I like you the way you are. She will make him a good wife. With you gone, I cannot go on. |
| This is my dream come true. This bed looks slept in. |
この文型の特徴は、S≡V+C ですから、S=V かつ S=C という関係が成り立っていることです。これは S+V 文型の場合とは対照的で、V の意味が分からなくても S=C という関係から、主語 (=S)に関するおおよそのことは C で説明されてしまっているということを意味します。この文型をさらに主格補語(=C)として使われる 形容詞の種類によって次のように分類することができます。
次の文の下線部分を「通常の形容詞」と呼んでいます。
注意)学校文法等では上の例における "up"を形容詞とみなすことを嫌がっているようで 、 You got up early. 等の文を S+V+C の文とはみなさないで、S+V 文型とみなしているようです。つまり V= "get up" =「起きる」という見方をしています。そのため、「私は7時に起きる。」に相当する英語である "I get up at seven."等は作ることはできても、「私は(6時に起きて)7時には起きている。」に相当する "I am up at seven."という英語を作ることができないという極めて日本的な現象が見られるのです。( =>「当たり前のことは文法書では扱わない」参照)
"up" という語を「起きている」という意味の形容詞としてみなすことが重要です。学校 文法では、"sick person", "big house"のように名詞の前に置いてその名詞を修飾する語を形容詞と定義しているらしく、次に説明する「前置詞+名詞」等も、名詞を修飾しているにもかかわらず、その名詞の前に置くことができないために、形容詞とはみなしていません。ここで取り上げられている、"up" も "up person"(=起きている人)という言い方が正式に存在しないため形容詞とは認めていないのでしょう。このように、S+V+C文型とみなすべき文が、学校文法では S+V 文型の文として
扱われると同じ現象として、S+V+O+C とみなすべき文が、S+V+O の文として扱われる現象があります。("S+V+O+C" 参照)
次の文の下線部の「前置詞+名詞」を形容詞と見なします。
残念ながら、学校文法等では上に挙げた文は全て、S+V+C 文型ではなく、S+V 文型の 文として扱っています。そのため、下線部は C(=主格補語)ではなく、M(=修飾語)という S,V,O,C 以外の概念を知らぬ間に導入し、文の中で情報的に最も重要な部分を「修飾語(=M)」などという付随的なニュアンスを漂わせる言葉で片付けてしまっています。本講座においてこの下線部分を形容詞としてみなす根拠は極めて単純です。例えば、上の She is at the station. という文は、She is pretty.の下線部分の"pretty"が"at the station"という語句で置き換えられたものとみなすことができるから、"pretty"と"at the station"は同じ機能(=主語 "she"の補語としての機能=形容詞としての機能)を持っているという考え方です。つまり「置き換えることが可能であるということはその機能が同じである」ということなのです。乾電池などを異なったメーカのものを使ってもその機器が正常に働くということは、各メーカの乾電池が基本的には同じであることを意味するのと同じ理屈です。"pretty"と"at the station" の違いの方が気になって仕方がない人 もいますが HighTopとMaxwellの違いが気になるのと同じで、あまり意味のないことです 。
この考え方は他の全てのC(=主格補語)についても言えます。
上の下線部は互いに置換が可能であるということを示しており、このことは全て同じ 機能(=主格補語としての機能)を持っていることを示しています。
それでは、"at the station"という形容詞はどのような意味の形容詞であるかという問題が出てきますが、それは簡単な問題で次の文を比較すればよいのです。
つまり、"at the station" は「駅にいる」という意味の形容詞なのです。この場合の「駅にいる」という日本語は日本語の文法用語では「動詞の終止形」ですが、動詞の終止形と形態的に全く同一のものに「動詞の連体形」があります。「駅にいる人」な どにおける「駅にいる」は連体形です。面白いことに英語でも「駅にいる人」は "a person at the station "となります。
ところが、学校英文法はこの単純明快な考え方に異常な敵意を示すのです。先ず第一に学校文法では "at the station" は「駅にいる」ではなく「駅に」という日本語に対応し、"be"動詞が「いる=存在する」に対応するのであるということを主張しているのです。「一つの単語(=be)に多くの意味や機能が存在する」ということを見つけることが言語研究の目的であるということを信じて疑わないという態度がこういうところで顔を出しているのです。この考え方は、「動詞の機能」の項でも説明していますが、「日本語と英語は語順が異なっていて欲しい」という願望を前提にして出てきた考え方です。次の図示を見てください。
つまり、英語の語順は「彼女は」+「いる」+「に」+「駅」という日本語とは全く異なった語順であるということを英語学習の初期の段階で学習者に印象として与えようとしているのです。(余談ですが、このような脅かしは語るにおちるで、日本においてもある程度英語ができる人は語順などに関しては全く苦労はしていないのです。語順で苦労するのはせいぜい中学生の低学年の頃だけです。)
また、上の "at"=「に」という対応からも分かるように、この考え方は、英語の前置詞を日本語の助詞に対応するものとみなす非常に間違った考え方をも表しています。日本語の助詞は省略可能であるのに対し、英語の前置詞は原則的には省略できないのです。言い換えるならば、日本語の話言葉などでは通常、助詞を使わないため、もし使うとすればどのような助詞を使うべきかということは日本人にとっても紛らわしい問題であるという意味で「重要」なのであるのに対し、英語では前置詞は教える必要のないという意味で重要なのです。
また"be"動詞には「存在する」という意味があるという考え方では "a person at the station"(=駅にいる人)という英語を説明することができません。「いる」と いう意味を持っているはずの"be"動詞が存在しないからです。苦し紛れに「a person who is at the station の "who is "が省略されている」等と説明する人もいますが、「beには”存在する”という意味がある」と言って be 動詞が重要であると言っていた舌の根も乾かぬうちに「省略される」等と言うことはできないはずです。省略できるものとは無くてもよいもの、つまり重要でないものだけです。以上のような be 動詞に対するアンビバレントな態度は、以下に示すように、ここで取り上げている全ての種類の補語に対して見られます。
いずれの場合も、"be"は上のような機能を持っていません。 つまり"be" 動詞は「です」という意味もないし(そもそも”です”の意味って何なのだ !)、「存在する」という意味もないし、be 動詞などなくとも現在分詞だけで進行を表 すことがありますし、be 動詞などなくとも過去分詞だけで受身を表すことがあるのです 。
理論的に言えば「C=to + 不定詞」(It remains to be seen.も「前置詞+名詞」として扱うべきですが、[to + 不定詞」は英語において「他の前置詞 + 不定詞」(例えば、"in control")などと比べ 、非常に発達してしまった結果、その起源をほとんど無視して論じることができるようになっています。従って、本講座では別項として「to + 不定詞を扱います。「不定詞」参照)。
現在分詞も形容詞ですから、他の形容詞と同様に扱えばよいのです。現在の英語では現在分詞には「進行状態を表す」ものと、そうでないものがあります。
進行状態を表す形容詞の例は上の 1 ?3 まで、進行状態を表す形容詞の例は上の4?5 です。
「前置詞+名詞」のときも説明しましたが、進行状態を表す現在分詞でありさえすればbe 動詞などなくとも、進行状態を表します。そして、"interesting" や "exciting" 等の進行状態を表さない形容詞は、He is interesting. The story was exciting. のように be 動詞と共に使われていても、進行状態を表していません。日本の英語の先生方は、恐らく次の全く意味の異なる2つの文の区別をすることができないのではないかと思われます。
このようなことは、中学や高校の数学の「必要条件」とか「十分条件」などで勉強しているはずなのですが、数学は英語とは関係ないということできっと関心がなかったのでしょう。とにかく、このような論理的な混乱のために、「進行形は?」という先生の質問に対して「?ingです。」と答える生徒は「いい加減な」生徒であり、「be + ?ing 」と答える生徒が「真面目に理解している」生徒ということになってしまっているのです。
現在分詞だけで進行状態を表すということは、上の例の Let's get going. のように "be" 以外の動詞と共に使われる場合や、S+V+O+C 文型の C(=目的格補語)として使われた場合でも進行状態を表すということを意味します。折角、覚えた公式を捨てるのは惜しいかも知れませんが、このことが、多くの日本人の英語による表現力の妨げになっていることは確かです。
また、次項の「過去分詞」についても「現在分詞」について日本人が犯している同じ過ちを犯しています。ではこの過ちを犯す原因は一体何なのでしようか?もちろん、上で説明した、論理学上の無知による論理的な混乱もありますが、もう一つの大きな原因が存在します。それは、世界の英文法研究者が使う約束事としての記号の使い方に対する無知という問題です。(参照 「英文法の表記」)
つまり、「be + ?ing」や「be + p.p.」や「be able to ?」等の表記に使われている "be" は決して "be" を使いなさいという意味ではなく、次に続く ?ing, や p.p. や able to?は verb として使わない(=形容詞として使う)ということを示す記号なのです。従ってa man able to do it, のような修飾用法や, He became able to do it. のように"be" 以外の動詞を使っても何ら差し支えないのです。
進行形における現在分詞と同様、受身における過去分詞もそれ自身で「受身」や「完了」を表します。英語の進化論では、過去分詞は「完了」=>「受身」=>[have を伴った 完了」という順に発展してきたものと思われますがが、ここでは「have を伴った完了」 以外の過去分詞の用法、つまり「完了」と「受身」の意味を表す形容詞として、S+V+C 文型で使われている過去分詞について説明します。
これは、上の例の "He is gone." "He is married.", "He looks married."などが該 当します。「marry すればその結果としてmarriedになる」という単純な考え方です。つ まり過去分詞は過去の行為の結果の状態を表す形容詞なのです。従って「go すれば gone という状態になる」から、そのような状態を He is gone. という S+V+C 文型の文で表現しているのです。
日本の英文法研究者は「なぜ He has gone. ではなく He is gone.という言い方が存在すののか?」という観点でしかこの問題をみることができないようです。正しい問題のとらえ方は「なぜ He has gone. が He is gone. と同じ意味をもつ表現として現在存在するのか?」ということなのです。この問題は結局、なぜ「have + 過去分詞=完了」なのかという問題なのです。暗記中心で学生時代を過ごした日本の英語研究者にとって、このようなことは全く気にならなかったかも知れませんが、「have + 過去分詞=完了」という規則はそう簡単に納得のいく規則ではないのです。もちろん実用的には、「have + 過去分詞=完了」である理由など知る必要はありません。しかし、それ以上に知る必要のない「 "He is gone."がなぜ完了を表すか」ということを説明しようとする人達がいるからこのような警告をしているのです。例え話で分かりやすく説明しましょう。
米国人が英語を話しているのを聞いても何の疑問も抱 かない人が、英国人が英語を話すのを聞いて、「なぜ英国人は英語を話すのだろうか?」という疑問をもつことは許されないのです。米国人が英語を話す理由は探すことができますが、英国人が英語を話す理由は探すことはできないし、探してはいけないのです。つまり、「過去分詞は完了を表す」ことを疑ってはならないのです。
現在の英語では過去分詞は完了の意味を表すと同時に、受身の意味を表すものが存在します。元々は完了の意味を持つものであった過去分詞が、どのようにして受身の意味を持つようになったかという事情については、別の機会に譲りますが、現在の英語では、過去分詞には受身の意味を持つものが多いという事実があります。
現在の英語における過去分詞の意味は次のように認識されています。
例えば、The teacher bores the students. という S+V+O 文型の文によって表現されている状態において、
S (= the teacher) という名詞の状態を表現する形容詞として現在分詞(boring)があり、
O (= the students) という名詞の状態を表現する形容詞として過去分詞(= bored) があります。
従って、the boring teacher に対してthe bored studentsという修飾用法があり、
The teacher gets boring. 等に対して The students get bored. という S+V+C 文型があり
We found the teacher boring. 等に対して, We found the students bored. という S+V+O+C 文型等が存在します。
このように、主語の名詞を表す形容詞は現在分詞、目的語を表す形容詞は過去分詞という認識が成立しています。下線部の目的語の状態を表す過去分詞などは次のように使われます。
過去分詞がそれ自身で「受身」の意味をもっている場合は、S+V+C 文型以外で過去分 詞が使われても、「受身」の意味は失われないことは、前項の"the bored students", "We found the students bored." などからでも明らかです。
特に、"We found the students bored."等の S+V+O+C文型の文をはっきりと「受動態の文」として意識しておくことが必要です。
以上のことが理解できていれば、「命令文の受動態」という問題の本質がはっきり見えてきます。
次の変換を見てください。
(You) do it.(命令文)
=> It is done. (S+V+C の受動態)--- (A)
=> You have it done. (S+V+O+C の受動態)--- (B)
=> Have it done. (主語"you" を省略する)
命令文であるためには、主語が "you" でなけばならないため、(A)の "It is done." という主語が"it"に変わってしまっている文を、先ず、"You" を主語にした文に変換する必要があります。それが You have it done.であり、この文から、主語 "you"を省略す れば命令文となります。
学校英文法では、どこで何を勘違いしたのか、「命令文の受動態は"let + 目的語+ be +過去分詞”」などという機械的な公式を押し付けています。これは本当に迷惑な話で、Do it. の受動態は, Let it be done.であるという誤解を生む恐れがあります。「Do it. の受動態は Let it be done.である」と英語を機械的にしか捉えることに慣れきっている人には理解できないかもしれませんが、Let it be done. に相当する能動態の文は、You can do it. です。"Have it done." や "Get it done" という非常によく使われる表現を教えないで、"Let it be done." 等と"Do it."という文とは全く意味の異なり、かつ稀にしか使われない文を機械的に押し付けようとする学校文法の意図が分かりません。既に何度も説明しているように、学校文法では be 動詞が使われていることが受動態であることの必要条件としているため、どうしても、Have it done. やGet it done. などは受動 態として認めることができないのでしょう。その証拠に現在の日本の英文法研究者の中には、"He is gone." という完了の意味を表す文を "be + P.P." という形態だけをみて「 自動詞の受動態」などという用語を使っているくらいです。早く, "be動詞過大評価症候群"(その割には,「省略されている」等と言って、あれほど重要視していた"be動詞"を実にあっさり切り捨てしまうのですが...)から抜け出してください。
「次の文を受動態に変換せよ。」というような練習問題に慣れている人達は、次の二つの文は同じ意味の文であると勘違いしている場合がよくあります。
You write letters.--(A)
Letters are written.---(B)
この2つの文は対応しているだけで、同じ意味ではありません。 (A) は「あなたは手紙を書く人」とか「あなたは手紙を書く習慣がある。」という意味であるのに対して(B) は「手紙が書き終わった状態である。」という意味です。対応しているということと意味が同じであるということは全く別のことです。 (A) と意味的に類似する受動態の文は、Letters get written. です。
このような基本的なことが教えられていない理由は、またしても be 動詞が使われない受動態の存在を知らせるのが恐いからなのでしょう。
「受動態」という文法用語を聞くだけで、「be 動詞が重要」とか「by を使う」という受動態の本質とは全く関係のない2つの事柄を連想するように条件づけられている日本の現状は不幸としか言いようがありません。ここでは、よく問題になる "by"に関係する 話をしておきます。よく文法書などでは 「by を使わない受動態」という項目を設けてますが, "by" を使わないのではなく、省略しているのだということが理解できていないようです。例えば、They speak English in Canada.という文を受動態に変換すると、
English is spoken in Canada by them. で "by them"が省略されているだけです。また「by を使わない受動態」などと"by"を使わないことが例外的であるかのように扱っていますが、"by"を使わないように見える受動態は無数にあります。
上の例1)や例2)が「例外」とされている理由は、通常はどのような他動詞も次のように二通りの表現が可能であるの対し、慣習的にどちらか一方の表現のみが使われているからです。なぜ、そうなっているかは通常説明ができなくなってしまっているため、「注意事項」として文法書に掲載されるのです。(参考 「序文-3」参照)
《二通りの表現の例》
You can buy this for 500 yen.= 500 yen can buy this.
You can express this with this sentence. = This sentence can express this.
You say that in your letter. = Your letter says that.
You show it in the test. = The test shows it.
You replaced that with this. = This replaced that.
上の最後の例などが理解されていないために、
You replaced that with this. を受動態に変換して "by you"を省略した
That was replaced with this (by you). と
This replaced that.を受動態に変換してできる
That was replaced by that.
の2つの文の下線部を比較してしまい「replaceの場合はbyですか、それとも with ですか?」という質問がよく出てくるのです。 いずれにせよ、"be"動詞と同様、"by" という語は受身の意味の形成に関しては全く貢献はしていないということです。学校の英語の先生から見れば、不謹慎な態度かも知れませんが、過去分詞にはそれ自身で受身の意味があるとだけ覚えておけばよいのです。複雑なウソよりも単純な真理の方がレベルが高いのです。
この形容詞に関する詳しい説明は「関係節」の項でされていますが、ここでは、通常の形容詞が下線部分の語句によって置き換わっていることから、下線部分は形容詞相等語句であるという見方をするだけで十分です。
「as と the wayの違い」について
This book is expensive. という S+V+C 文型の文は This book is an expensive book. という文の an expensive book という補語の部分の名詞を取り去った形とみなすことができます。ということは、反対に This is expensive. という文の補語である"expensive" に名詞 "a book" を補って、an expensive book という形にすることができるということです。このことは、"expensive"という形容詞の立場でみれば、修飾用法(This book is an expensive book.) から 非修飾用法 (This book is expensive.)に変化したということです。これまで説明してきた、通常の形容詞、前置詞+名詞、現在分詞、過去分詞などに関しては、expensive という通常の形容詞の場合からも分かるように、修飾用法のときに使われる形態と非修飾用法のときに使われる形態は区別されていません。これに反し、形容詞節の場合の修飾用法はthe man as you think he isだけで、the man the way you think he isという言い方はありません。非修飾用法としてならどちらの 場合もあります。
この文型では S V+O, かつ S≠O という関係があります。この文型も S+V 文型と同様、日本語の動詞とVとがよく対応しています。学校文法によればこの文型の文が非常に多 く存在していることになっているのですが、本講座では、学校文法なら S+V+O 文 型と分類されるほとんどの文は、次の項目である、S+V+O+C文型の文に分類されるため、あまり多くは存在しません。例えば、I turn on the radio. などは、学校文法 では S+V+O と分類されるのに対し本講座ではS+V+O+C 文型として分類されます。また、S+V+O 文型はS+V+O+C 文型の特殊な場合(C= ゼロ)とみることもできる場合があります。
| I want it done by tomorrow. I like you the way you are. |
この文型では S V+O+C という関係も成り立っていますが、もっと重要な関係は O=Cという関係です。この文型をさらに目的格補語(=C)として使われる形容詞の種類によって次のように分類することができます。
S+V+O 文型の項で既に指摘したように、学校文法では、上の He brought up this subject. He switched the radio off. She put the jacket on. 等の文は、"bring up", "switch off", "put on" を一つの動詞扱いしている(英米の文法でも"phrasal verb" 等という用語が使われており、同じような扱いをしている)ため、S+V+O 文型として扱いをしています。しかし、本講座では、"bring up" の"up" , "switch off" の "off", "put on" の"on" は目的格補語として使われている形容詞として扱います。このことは、これら の形容詞が目的格補語以外(例えば、主格補語)としても使われることがあることを意味します。例えば、He brought up this subject. の "up" を主格補語として使えば、This subject came up.となり文の内容もほぼ同じになります。
また、S+V+C 文型の項で、"I get up at seven." が言えるにもかかわらず、本来はそれよりずっと簡単なはずの "I am up at eight." が言えないという日本人英語学習者の弱点を指摘しましたが、それと同様の問題が、S+V+O+C 文型でも見られます。「彼はテレビをつけました。」に相当する" He turned on the TV." という英語が言えるにもかかわらず、「テレビがついています。」という内容を日本語で表現することができないのです。この原因は He turned on the TV. = He turned the TV on. における "on" が"the TV" という目的語を説明している形容詞(=目的格補語)であることが理解できていないためです。このことが理解できていれば、この形容詞を使って "The TV is on." (=テレビ
がついている。)という S+V+C の文が簡単にできます。
このことに関連して、もう一つ注意しておきたいことがあります。それは、"bring up" や "switch off" などの"bring" や"switch" を「自動詞」であるという扱いをしている辞書などがあるということです。恐らく、"look at" のような例をみて、「自動詞に前置詞をつければ他動詞になる。」と判断し、"bring up" や"switch off" という「他動詞」から前置詞 "up" や"off" をとり去れば後に残る "bring" や"switch" は自動詞であると思ってしまったのでしょう。このような考えは、次の点を理解していません。
学校文法では、これらの文は全て S+V+O 文型として扱われており、下線部は目的格補語(C) ではなく、修飾語(=M)となっています。これは、She is at the station.などの S+V+C 文型として扱うべき文を S+V 文型として扱ってしまっている誤りと同じ誤りです。 例えば、He put it on the desk.などの文を学校文法では
つまり、He put it on the desk.は「彼はぷっとそれを机の上に置いた。」なのです。言葉の勉強イコール「美しい言葉の使い方の勉強」等と冠婚葬祭時の礼儀作法程度のものと思っている人達にとって、下線部の「ぷっと」などという擬態語を使うの正しくないという理由でこのような対応を否定したり、あるいは、また逆に「週刊ポスト」に随筆を連載している女性作家などが、「このような擬態語によって表現を豊かにできるのはは日本語だけだ」などと、ろくに調査もしないで勝手に出した結論を基に日本語を必要以上に賛美したりしていますが、これが He put it on the desk.の直訳なのです。そし て、「彼はそれを 机の上に置いた。」が意訳なのです。「put は動詞であって、擬態語 などではない」という反論も論理的には何の根拠もありません。英語の "verb"が日本語 の「動詞」に対応しているということを無条件に受け入れてしまうからこのような反論が平然と行なわれるわけですが、S+V+O+C 文型の場合、英語の verb (=V)は日本語の副詞に対応しているのです。そして、日本語の動詞によって表されている内容は英語の O=C という部分、つまりこの場合は "on the desk"のような「前置詞+名 詞」という部分によって表されているのです。とにかく、英語研究者は英語と日本語のような異なる二つのシステムの比較という作業のの基礎に対して全くの無知であるということです。2つの野球のチームの打線を背番号によって比較する場合と、打者の打撃力によって比較する場合では、比較の結果が大きく異なってくるのです。 辞書で verb という語を引けば「動詞」という意味が載っているから verb は動詞で あるという論理のみに依存し、ここで説明した日本語と英語間の対応に頑なに拒否し続けるという事実は、日本語と英語の語順が同じになるような対応関係が存在するということを認めることには絶対反対しなければならないという本能が無意識に働いているのでしょう。
「彼はそれを机の上に置く。」という日本語は英語では
理論的に言えば「C = to + 不定詞」(I want you to do it.等)も「前置詞+ 名詞」として扱うべきですが、[to + 不定詞」は英語において「他の前置詞 + 不定詞」(例えば、"in control")などと比べ 、非常に発達してしまった結果、その起源をほと んど無視して論じることができるようになっています。従って、本講座では別項として「to + 不定詞」を扱います。
S+V+C 文型の項でも説明した通り、現在分詞はそれ自体で動作の進行状態を表すもの があり(=それ自体進行状態を表さないものもある = 上の例 3)、"be"動詞など無くとも、そのような現在分詞が使われている場合は、進行を表します。従って、S+V+O+C 文型の C(=目的格補語 )として使われても進行状態を表すことには変わりはありません。
全ての過去分詞は「完了」の意味があり、その中の多くは「受身」の意味をも っています。従って、現在分詞の場合と同じく、"have + P.P."でなくとも完了 を表し、"be+ P.P."でなくとも受身の意味を表します。いずれにせよ、過去分詞は動作が完了した状態を表す形容詞であり、それが受身の状態を表す場合もあるということを理解しておけばよいのです。
学校文法では"be"が受動態の不可分の要素であると思って いるため、「命令文の受身」という項目で、You should get it done. のような非常によく使われる日常表現を"be"が使われていないから受動態ではないという理由で、紹介するのを避け続け、You should do it.とはかなりかけ離れてしまっている意味の You let it be done. をこの文に対応する受動態の文をして紹介するという誤りを犯してしまっています。
また、「have + 目的語 + 過去分詞=〜に...をさせる」等という公式をつくりあげ、過去分詞がこのように使われるのは have の場合だけであるかのような誤解を与えるようなことを学校文法で教えていますが、I want it done by tomorrow. You found him gone. Consider it done. They look all set.などのように使われている verb は have だけではないのです 。このことは S+V+C 文型において C が過去分詞である場合、He looked bored. You stay put. She got upset. 等の文が無数に存在するにもかかわらず、verb が be 動詞の場合のみを受動態の文であると言い続けている不可思議な現象と同じです。
I want to see it done by tomorrow. の場合は、学校文法は「感覚動詞」とか「知覚動詞」という用語を使って「see + 目的語 + ?ing = ....が?するのを見る」という公式をつくっていますが、Get it going. I found it wanting. などのように see や hearのような感覚動詞である必要はなく、?ing の部分も ? ing でなければならないということはないのです。
の下線部分は全て目的格補語として機能している形容詞であり、?ing だけが使われ
るわけではないのです。
感覚動詞(=知覚動詞)の用法はあくまでも、S+V+O+C 文型の一つであるということを先ず理解した上で、実用的な見地からさらに細かく分類されたものとして理解されるべきです。
学校文法では、下線部分の扱い方が全く分からないらしく、このような文は文法の対象外になってしまっています。下線部が形容詞であることは、次のような変換が可能であるということからでも明らかです。
つまり、”open" のが"as it is"で置き換えられているだけなのです。そして、置換えられるということは互いに同じ機能をもっている、すなわち形容詞の機能を持っているということなのです。
この形容詞節に関しては「関係節」の項で詳しく説明します。
| She will make him a good wife. |
この文型は S≡V+O+O という自明の関係の他に、S≠O かつ O≠O という特徴的な関係があります。この2つの目的語をそれぞれ直接目的語および間接目的語と呼んでいますが、この文型はS+V+O+C 文型 または S+V+O+C' 文型との間に次のような関係があります 。
| S+V+O+C | → | S+V+O+O |
|---|---|---|
| She told me a story to me. | → | She told me a story. |
| I give a thought to it. | → | I give it a thought. |
| She will make a good wife for him. | → | She will make him a good wife |
| She made a coffee for me. | → | She made me a coffee. |
| It took 40 days for me to write this. | → | It took me 40 days to write this. |
また、この文型の文の多くは「? に ...を与える」という意味をもっています(授与動詞)。学校文法では「与える=give」という考え方(S+V文型の場合のみに成立ときがある)をしていますが、文型が変われば、"give"から「与える」という意味など全く無くなってしまうのです。例えば、I give up. のように S+V+C 文型の文では "give" には「与える」という意味など全くないのです。もちろん、学校文法では I give up. は S+V+C 文型ではなく S+V 文型(V="give up")という考え方に逃避し、「与える」の場合の "give"と [諦める」の場合の"give"の関連性に対して全く興味を示さなくなっているのです。これが「一つの単語に多くの意味があり、その意味を覚えることが語学の学習である。」という学習者の態度によって増幅され,"give"自身には「与える」という意味がないという考え方が出来なくなってしまっているのです。S+V 文型の場合でも、The door won't give. (ドアが開かない。)や Something's got to give.(閉塞情況を打ち破るような何かが起こる必要がある。)のように"give"=「与える」という理解の仕方では説明で きないもののほ うが圧倒的に多いのです。次の2つの文を比較すれば「与える」という意味は "give"に 起因するものではなく、S+V+O+O という文型に起因するものであることが分かります。
この二つの文はどちらも「彼は私にお金をくれた。」という意味で、「くれ方」の違いを "get" と "give" で表しているだけで、「彼が私にお金をくれる」という基本的な意味は、この二つの文に共通なもの、すなわち、S+V+O+O という共通な文型によって生成されているのです。"give"=「与える」、"get" =「得る」などという理解の仕方をしている多くの日本人英語学習者は、上の例と同じように使われる日常表現である "What can I get you, coffee or tea?" などを自ら進んで使うことができなくなってしまっているのです。日本語の動詞によって表現されることが、英語では文型そのものによって表されているのが S+V+O+O 文型です。
| With you gone, I cannot go on. |
英語では A=Bという関係を表す場合、S+V+C 文型の S=Cという関係を利用する場合と、S+V+O+C文型の O=Cという関係を利用する場合があります。このことを知らないため、 日本人は S+V+C文型をよく使う傾向があり、S+V+O+C文型を使うことはあまりないようで す。
次の表をみてその関係を理解してください。
| A=B | S+V+C | S+V+O+C |
|---|---|---|
| a book = on the desk | A book is on the desk. | We have a book on the desk. |
| Your coffee = coming. | Your coffee is coming. | You have your coffee coming. |
| you = back | You are back. | We have you back. |
| the TV= on | The TV is on. | We have the TV on. |
| the letter=sent | The letter is sent. | I have the letter sent. |
上の例から分かることは、自動詞の"be"動詞が意味が希薄であるのと同様に、他動詞 の "have"も意味が希薄であることが分かります。"We have a book on the desk."と ”We have this letter sent"という文が同じ構造であるということと、ここで説明してい る見方をすれば「本が机の上にある。」という日本語は "We have a book on the desk."の意訳ではなくて直訳であることにも注目してください。意訳であるかか直訳であるかは個人の英文の捉え方によって変わるもので、"We have a book on the desk."を「私たち は机の上に本を持っている。」という捉え方しかできない人にとっては「本が机の上にある。」という訳は意訳になってしまうのです。S+V+O+C文型を使って A=Bを表せる能力が あるかないかは英語の運用能力に大きく影響を与えます。
上の例は ”be"動詞や "have"だけの例でしたが、他のverbを次のように使うことができA=Bという基本的は意味は保存されます。
このように S+V+C文型と S+V+O+C文型の両方を使って、同じことを表現することがで きます。この変形を自由自在にできるために、もう少し知っておかなければならない事柄があります。それは、be動詞が haveに対応していたように、他のverbの間にもこれと同 じ対応が存在する ということです。次の表にそれを示しておきます。
| A=B | S+V+C | S+V+O+C |
|---|---|---|
| the organization =into being | The organization came into being. | They brought the organization into being. |
| the subject = up | The subject came up | They brought the subject up. |
| you = here | You came here. | Your interesy in this country brought you here. |
| it = about | It came about. | Something brought it about |
| A=B | S+V+C | S+V+O+C |
|---|---|---|
| him = to bed | He goes to bed. | I put him to bed. |
| it = where | Where should it go | Where should I put it? |
| the product = on the market | The product went on the market. | |
| her = on a diet | She goes on a diet. | The doctor put her on a diet. |
上の例は、自動詞と他動詞としてそれぞれ異なっていましたが、次の例のように、同 じ verb が自動詞としても他動詞としても使われる場合もあります。
| S+V+C | S+V+O+C | |
|---|---|---|
| him = out | He got out. | I got him out. |
| her = home | She got home. | I got her home. |
| it = going | It gets going. | You get it going. |
| you = upset | You get upset. | You get yourself upset. |
次のような二つの文に「重ね合わせ・省略の法則」を適用してみましょう。
(A) + (B) = The man gone, I cannot go on.---- (C)
という「主語付き形容詞」をC'(=副詞句)とする文が作られます。
一方、The man is gone. --- (A) という S+V+C文型の文を、"I" を主語とする S+V+O+C 文型の文に変換すると I have the man gone. ---(D)となります。
"have"="be with"という関係を (D)に適用すると、I am with the man gone. ---(E)
となり、(A)+(B) = (E) + (B) となります。
(E) + (B) に「重ね合わせ・省略の法則」を適用すると
With the man gone, I cannot go on.---(F)
となります。
(C)と(F)とは同じ内容のはずで、形態的には "with"があるかないかの違いです。これが 、「付帯状況の with」と呼ばれる構文の構造です。
付帯状況の withの構文は、"with + A +B"と表記されますが、この時、A=Bという関係が あります。つまり、Bには次の表に示すように種々の形容詞が使われるということを意味 します。
| 形容詞の種類> | A= B | 付帯状況 with構文 |
|---|---|---|
| 通常の形容詞 | you = around | With you around, I feel secured. |
| 前置詞 + 名詞 | the everything = in place | With everything in place, you get started. |
| 現在分詞 | the cat= sleeping | With the cat sleeping,I can concentrate. |
| 過去分詞 | this = kept in mind | With this kept in mind, you can start. |
| 形容詞節 | this= the way it is | With this the way it is, I am happy. |
| 合成形容詞 | his hands = tied behind his back | He was dragged around with his hands tied behind his back. |